2010年2月8日月曜日

10-DAY NOTICE ~家を片付けないとデポジットとるよ~

先日、住んでいるアパート全体で、「Inspection」 というものが行われました。
家の中にInspector(チェックする人)が入って、問題が無いかどうか調べるものです。

私は、これは日本の「消防点検」にあたるようなものだと思っていました。
例えば出口が塞がれていないかとか、ドアとかが壊れていないかとか、
そういうことをチェックすると思っていたわけです。
Inspectionの間、自分たちが家にいる必要もなく、ただ鍵を開けておけば良いという通知だったので、
その日、特に普段と変わりなく、私は学校に行き、夫は会社に行きました。

帰宅してリビングを見ると、そこにはピンクの紙で、
「Inspectionは終わりました、ありがとう!」といった内容のメモが置いてあったので、
おお、終わったね、
ぐらいにしか思っていませんでした。

が、しかし!
その数日後、アパートのマネージャー(管理人)から、仰々しい通知が来ました。
「10-DAY NOTICE」と題したその通知には、
「家の中が汚いので、10日以内に片付けてください。
さもなければデポジット(敷金)をもらうか、退去の可能性もあります」
といった内容が…
ちなみに、この場合の「デポジットをもらいます」というのは
入居時に既に預けてあるデポジットを、「奪います」ということ。
10日間の後、再度Inspectionを行い、改善されてるかチェックするともありました。

びっくりしました。
そりゃあ、うちはすっごく綺麗ではないし、私は片付けが苦手な方だけれど、
別に衛生的には困っていないし、他の人に迷惑をかけているわけでもないのに、
デポジットをとられたり、退去しなきゃいけないとは!

主に、問題点としては、
・ゴミが置いてある
・いっぱい服がある
・全体的に散らかっている
の3点。

■ゴミについて
私は大きいゴミ袋にまとめて、それがいっぱいになったら玄関近くの廊下に置いておき、
朝や昼など時間があるときに出す、という習慣でした。
(アパートには大きなゴミ置き場があり、
一般ゴミとリサイクルゴミにわかれた2種類のタンクに、
いつでも好きな時に出せるようになっています。
週に数回、ゴミ業者が集めに来ます。 )
Inspectionの日、朝急いでいて、ゴミ袋を廊下に置いたまま出てきてしまったので、
おそらくそのゴミ袋を見たInspectorが、「なぜ捨てないのか」と思ったのでしょう。
とはいっても、家の中にゴミを置いていようとも、ちゃんと口は縛ってあるし、
見るのは自分達だけだし、数日置いておいたところで何か問題が?と言いたくなります。
でも、担当弁護士のサインまでついた堅い通知を見ると、
なんだか悪いことをしている気分になり、
「これからはゴミ袋がいっぱいになったらすぐに捨てよう。きっとそれがアメリカだ」などと
心に決めました。

■いっぱい服があるについて

よくいる日本人の夫と同様に、私の夫も脱いだ靴下や服を床に散らかしたままにしますが、
それがいけなかったのか、それともクローゼットに服がたくさんありすぎるからいけないのか?
こちらの常識がよくわからないので、
もしかしたらクローゼットに入れられる服は何枚までとか何キロまでとか決まっているんじゃないか…と
よくわからないことを考えるほど不安になっていました。
悩んでもわからなかったので、管理人室に聞きにいってみました。
派遣社員のお姉さんしかおらず、
 Inspectionの詳細についてはよくわからない、と言われてしまいましたが、
「あなたならどう思う?床に置いてある服がだめなのか、クローゼットに服が多すぎたのか」とアドバイスを求めたところ、
当たり前でしょ?と言わんばかりの顔で、「床に置いてある服だと思う」と言われました。
…解決。
「アメリカでは服は床に置いてはいけない物」らしい。
とりあえず夫に、「そういうことだから」と言って、今度から床に服を脱ぎ捨てないように注意。

むしろ、今までどんなに注意しても聞かなかったことを考えると、
こうやってルール化されてる方が、夫も多少は気をつけるようになりそうです。

■全体的に散らかっている
うちは構造上、他の人から全く中が見えないようになっているので、
散らかっていたところで何か問題が?と言いたくなってしまいますが、
とりあえずデポジットをとられたくないので、片付けることに。
服のこともあり、「おそらくアメリカ人は物を床に置くのが嫌いなんだ」と思い、
床に置いていたものを全部棚の上などに移しました。
たたみ文化で家の中では裸足、床に寝転ぶことも普通な日本人からすれば、
例えば本など、床に物を置くことは別に普通だと思うのですが、
靴で生活するアメリカ人にとって、「床に物を置くのはあり得ない」ことなのかもしれません。
 ★全体的に…
夫が会社の同僚などに聞いてくれたろころ、
「アメリカの家はどこも綺麗に整頓されているらしい」とのことでした。
つまり、整理整頓されている家で育ってきた人たちにとって、
うちのように物を床に置いたりしているのが信じられなかったのでしょう。

確かに隣の家の前を通ってさりげなく中をのぞいてみると、
整頓されているし、壁には写真や絵もかかっています。

それに比べて、うちは数年後に移動することが決まっているので、
家に合う家具を探すのも手間だし、家具が少なく、
その結果、物をダンボールに入れて保管しています。
比較的家賃が高い価格帯の家において、それも不思議に見える原因なんだと思います。

そんなこんなで、この10日間は、毎日学校が終わったらすぐに家に帰って、
家を綺麗に見せるためのアイテムなどを買ったりして整理整頓に目覚めました。
西洋の家によくあるような、木材でできたトレイ(大きなお盆みたいなやつ)を買ってきて
ソファテーブルの上に置いてみてそれらしくしてみたり、
リビングにジャージを置いておきたがる夫のために、
オットマン(椅子のように座れる荷物入れ)を買っ
てジャージをリビングに保管しつつ外には見えないようにする方法を試してみたりもしました。

そして、昨日2/8、運命の2回目のInspectionでした。
結果は、
・今回は「Inspectionが終わりました、ありがとう」というメモが無かったので、やったのかどうかが微妙にわからない(そこがアメリカクオリティ)
・だが、出かけに開けておいた鍵が帰ってきたときに閉まっていたので、どうやらInspectionは来たらしい
・ そして今のところ特に何も文句が来ていないので、おそらく私たちはパスしたのだと思われる。
という微妙な感じになりました。

さて、一連のInspectionですが、
私たちはこれがアメリカで初めてのアパートメントであり、Inspection自体も初めての体験だったので、
「アメリカでは家を綺麗にしないとお金をとられたり、追い出されるんだ」と思い込みかけましたが、
こちらに2年暮らしているフランス人のクラスメイトにこの話をしたところ、

「それは普通じゃない。そのアパートメントが変わっている」
と断言してくれました。

……なるほど。

でも、訴訟の国だし、家が汚いという理由でお金をとられる可能性もあるだろうし、
まだ引越はしたくないから、当分家は綺麗に保とうと思いました……。

2 件のコメント:

  1. 久々にブログ見たら・・・
    まじウケる!!
     ~家を片付けないとデポジットとるよ~
    っていうサブタイトルもウケる(爆)

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  2. さちこさん
    コメントありがとうございますー。
    ほんと、あの1週間は「金をとられるかも」というストレスが
    重かったです笑

    そして数週間後の今、
    すでに家がまた散らかり始めてます…^^;
    習慣ってのはなかなか改善できないものですねえ…。

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