2010年3月1日月曜日

アメリカで警察を呼ぶ~アパートの騒音問題~

金曜日、初めてアメリカの警察に電話しました。
そもそも、警察に電話をするのは日本でもしたことがなく、生まれて初めて。
「アメリカのポリスメンは合法的に簡単に銃を使える怖い人」 という思い込みがあったので、
電話が終わった時には足が震えていました。

そもそも、なぜ電話をしたかというと、近所の騒音問題でした。
昼でも夜でも、近所の住人が鳴らしているらしい音楽の低音が、
ドン、ドン、ドン、ドン、と壁伝いに響いてきます。
ボリュームはすごく大きいときもありますが、大抵は「なんとなく聞こえる」程度。
でもこれが、1日中ずーーーーっと響いてると、頭が痛くなるんです。
(もし、お母さんの心臓の音と同じテンポだったら科学的には心地よくなってるのかもしれませんが)

そしてさらに、騒音を出しているのがどこの家かわからないという問題がありました。
うちは正確にはアパートメントではなく、タウンハウスというらしいのですが、
それがまた複雑な構造。
四方にたくさん玄関があるし、
建物が斜面に立っていて、片側から見ると2階建て、片側から見ると3階建てです。
大体どの方角から聞こえてくるのかはわかるので、
騒音が聞こえているときに外に出て、
人がいそうな部屋がどこか確認しようと試みているのですが、
どの窓がどの家かわかりません。

騒音は12月の半ば頃から聞こえはじめ、
その数日後にアパートメントのマネージャーにE-mailで訴えてみたところ、
可能性がある家族に通知を渡してくれたようでした。
(おそらく確認のためにうちの玄関にも通知が来ていました)
「近所の迷惑になるような音量で音楽を聴いたりしてはいけません。
常識の範囲内でお願いします」みたいな内容でした。

通知が配られたその日は騒音がおさまったのですが、
次の日からまた鳴り始める。。。
…効きめ無し…

そもそも、アメリカの住宅で、
この音を騒音として扱えるのかどうかが私にはわかりませんでした。
日本で生活していれば、「これは騒音だよね」と思えるのですが、
こちらの基準がわかりません。

結局、とりあえず泣き寝入りして1ヶ月半ほど様子を見ていました。
ところが2月のはじめ、マネージャーから夫の会社宛に
「近所の人からあなたたちによる騒音の苦情が出ている。
音楽などは常識の範囲内の音量にしてくれ」といった内容の通知が来ました。
「次の週末にもうるさかったら、ポリスを呼ぶ」といった内容も。。。

…ええーーー…。
どうやら、別の家も苦情を出したようなのですが、
騒音を出しているのは私たちだと思い込んでいるようなのです。
そもそも私たちは苦情を12月に出しているのに、マネージャーは気づかなかったのか?
ていうか、私たちが苦情を出した時の通知より明らかに態度が厳しいんですけど…!!
(上記、内容を和訳&要約してしまいましたが、もとの英文は結構違う)

というわけで、「うちにポリスがくるんじゃないか」と怖がりつつ、
「まあでも、実際にポリスがきてしまえば、騒音がうちではないことがはっきりするし、
どこが出してるのかつきとめてくれるかもしれない。」
とも思いました。

どちらにしても、勘違いされたままなのは悔しいので、
「騒音を出しているのは私たちではなく、こちらも12月からずっと困っている」と
マネージャーには伝えました。
すると、マネージャーからは、「どこの家が出しているかわかるなら教えてくれ」といった返事が。
…どこだかわからないから困ってるんですが…。

ちなみに、「もし気になるようだったら、ポリスに連絡してもいいんですよ」といったことも
書かれていました。
ううーん、これは警察沙汰にするようなものなのか?そこらへんの常識がわかりません。
ドンドンと音が響く程度で、アメリカのポリスメンを呼んでしまっていいの?
でも、うちが勘違いされたときに「ポリスを呼ぶ」と警告されたのだから、
これは立派な騒音かも?
なんて考えている間も低音は鳴り続いています。

そしてそれから悩み続けることさらに約1ヶ月、
先週末、深夜12時以降も鳴り続ける低音。
そしていつもよりも音がでかい!

これはもう「ポリスに電話せよ」という啓示?
夫は「今しかないんじゃない」とせかします。
(ちなみに彼はなぜか絶対にこういう時動かない。
こういうめんどくさい交渉問題はすべて私にやらせようともくろみます)
結局、インターネットでKirklandの警察の番号を調べ、電話。
※Emergencyではないので、911には電話してはいけません。

電話のオペレーターは優しい感じの女性でした。
直接電話口になまりの強い警察官(←偏見)が出てくるんじゃないかと心配していたので、
声を聞いたときは心から安堵しました。

「一ヶ月以上近所の騒音に困っていて、今も鳴っているんだけど…」
と伝えると、すぐにポリスオフィサー(警察官)をこちらに送ってくれるということでした。
どこの部屋が出しているかわかるか?と聞かれ、
「同じ建物なのは確かだけど、どこの家なのかは残念ながらわからない」
というと、「OK」と言われました。
どうやら、どこの家かわからなくても大丈夫らしい。

一番、不思議だったのが、
「オフィサーにあなたの家のドアまで来てもらいたいか、もしくはただ騒音を止めればいいのか」
という質問でした。
「警察を呼ぶ」=「まず、うちに来て事情を聞かれる」と思っていたので、
「ただ騒音を止めてくれる」ことができるのには驚きました。

「確実に騒音を止めるには、どちらがいいの? 」
と聞くと、
「基本的には騒音を止めることに対して違いはないけど、
なにか特別な情報をオフィサーに個人的に伝えたかったら、家にきてもらうのが良いかもね」
とのこと。

例えば、
「騒音を出している家に何度も注意しているのに聞いてくれない」とか
「あそこの人は英語が通じないらしい」とか
そういう情報でしょうか。

私の場合はどこの家かもわかっておらず、特に伝えられることも無さそうだし、
警察官に会いたいわけではないので、
「うちに来てもらう必要は無い」と手配してもらって電話を切りましたが、
数分後、「外からだと音がはっきり聞こえない可能性もあるかも?雨降ってるし…」と思い、
もう一度警察に電話をし、
「オフィサーがここに来て、外で音が聞こえないようだったら、
うちに来てもらって音を聞いてもらった方がいいと思う」
とお願いしました。

数分後、隣の家の犬が吠えるのが聞こえ、
十分後くらいに、なんと騒音が消えました…!



後から考えると、
隣の家の犬が吠えていたのは、オフィサーが通ったからのようです。
ということは、数分でここに着き、
数分でどの家が音を出していたのか判別し、
音を小さくするよう交渉してくれたわけです。
…ありがとう、ポリスメン!
 
こんなに簡単かつ便利に解決してくれるとは思っていませんでした。
さすが警察です。
騒音問題には慣れているのかもしれません。

そうはいっても次の日の昼には遠慮がちな低音が聞こえてきましたが、
それでも以前より小さいですし、

何より、コールオペレーターの女性が、
「騒音に困ったらいつでもここに電話してきていいのよ」と電話で言ってくれていたので
いざとなったら警察という味方がいるんだ!という安心感があります。

そんなわけで、
異国の地で警察に電話するという初めての経験をし、
また少しだけ度胸がつきました。

1 件のコメント:

  1. アメリカの警察官は素晴らしいですね!
    また騒音問題大変でしたね 汗

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