2010年2月28日日曜日

灰汁とカレー

夫の好物の一つがカレー。
インドカレーも良いけれど、日本のカレーが大好き。
(タイカレーは食べない。ココナッツ味のカレーが信じられないらしい)

というわけで、結構な頻度でカレーを作ります。
宇和島屋でも、他のアジア系のスーパーでも、
日本のS&Bやハウスのカレー粉はどこでも売っています。
宇和島屋だと1箱$4くらいしますが、
アジア系のスーパーで安売りしているところを狙えば$2.5くらいで買えます。


今回は灰汁の話。
主婦として未熟な私は、灰汁についてあまりよく知りませんでした。
実は毎回カレーをつくるたび、「あくをとる」という指示が目に入っているにもかかわらず、
めんどくさがってとっていませんでした。
「どうせ、とろうがとるまいが、大して変わらないだろう」 などと勝手に思っていました。

今日カレーを作っていて、なんとなく「今回はとってみようかな…」という気分になり、
おたまで灰汁をすくいはじめました。
不思議なことに、一度とりはじめると、
なんだか気になって神経質になるほど集中してしまいました。

そして灰汁をすくいながら思ったわけです。
「灰汁とはなんぞや?」

灰汁は多様な物質や現象の総称である。硝酸、シュウ酸、ホモゲンチジン酸などの有機酸や、アルカロイド物質、タンニンなどのポリフェノール類、肉の血や浸出液に含まれるタンパク質、遊離アミノ酸などが灰汁の成分であると考えられている。

ということです。
ホルモンのように、便利な総称のようですね。


とはいえ、食品によって、灰汁の性質が全く異なるようです。
例えば、「ワラビの灰汁を多く摂取してしまうと、脚気になる恐れもある」など
植物性のもののなかには体に害がある場合もあるようです。

逆に動物性のものは、旨み成分や栄養成分も入っている場合もあるとか。
肉の灰汁をあえてソースに加える料理もあるようです。

ふと、カレーの箱を見て、気づきました。
英語の方の作り方には、「あくをとる」という指示が無いんです!
つまり、この同じカレーを作るにしても、
日本人にとっては「あくをとるべき」で、
それ以外の人(主にアメリカ人)にとっては、
灰汁は「とる必要が無いもの」なわけです。

「灰汁をとらなければまずい」 と絶対値として言えるならば、
おそらく英語でも書いてあるでしょう。

とすると、この「カレーの作り方」における「灰汁をとる」という行為は、
・日本人の味覚にとって必要
なのかもしれませんが、
あるいは、
・日本人の習慣
だから書いた、のかもしれません。

では味覚にどれほど左右するのか?というのを
今回初めて灰汁をとったカレーを食べ、今までと比較できたわけですが
残念ながら?いつもと変わりませんでした。

ちなみに食品の灰汁は英語で
野菜の灰汁; a sharp[an acid, a bitter] taste; an alkaline fravor
肉の灰汁; scum
肉汁のあくをすくう; skim the broth
(プログレッシブ和英中辞典)
だそうです。

scum; a layer of dirt or froth on the surface of a liquid
(オックスフォード現代英英辞典)

なので、食品以外にも使います。灰汁に対して、「見た目が嫌」という感覚は一緒のようですね。

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