2010年8月15日日曜日

本:陽気なギャングが地球を回す/スプートニクの恋人/延長戦に入りました~と、シアトル周辺の図書館情報。

最近読んだ、小説およびエッセー3冊。

陽気なギャング~は、日本に一時帰国した際に持ってきました。
他2冊は、King County Library System(つまりキング郡の図書館)で
日本語の小説を探して出てきたもの。


「図書館に日本語の本がある」ということを最近になってやっと知り、
活用し始めました。(遅い…)

これまでに蔵書検索した結果、日本文学は
文学賞をとったものや、有名な作家の本は結構ある、ということがわかりました。

キング郡の図書館は近代的で、予約システムなども充実していて、
ネットからキングカウンティ内の図書館全ての蔵書を検索でき、
ホールド(取り置き)を自分の好きな図書館でできます。

「村上春樹の1Q84は、20人待ち」と聞いて、
とりあえず予約だけしておくか…と思って
「村上春樹」で検索したところ、すぐに借りれる状態。

「え!ラッキー!」と思ってその本を選択すると…
中国語の「1Q84」でした。。。
(日本語版はやっぱり20人待ちだった;)
不思議なことに、中国語版の日本文学は、作家名が漢字で管理されているのに、
日本語版の日本文学の多くが、作家名はローマ字で管理されているようです。
(つまりHaruki,Murakamiにしないと検索がヒットしない)
よくわからんシステム…。

日本人主婦のお友達から聞いたところによると、
前に図書館で借りた日本語の本に紀伊国屋書店のシールが貼ってあったようで、
どうやらシアトルにある紀伊国屋書店が図書館に売っているのではないか
という話になりました。

ちなみに個人的な本の感想は下記…↓↓↓


★陽気なギャングが地球を回す/伊坂幸太郎


昔はあまり…というか“全然”本を読まなかった友だちが、
「最近本を読むようになったんだ~」と言っていて、
「この本はおもしろかったよ」と言っていました。
そしてそれは正しかった。
スピード感&わかりやすさ、言い回しの小気味よさ、といった要素が特徴の
「エンターテイメント」としての小説としてとっても素晴らしい作品だと思います。
読みやすさとしてはライトノベルに近く、
他メディア展開がしやすそうな、視覚的な内容です。
全体的に勉強になる部分が多い、と思いました。
オススメ度:★★★★★
オススメ層:50歳未満くらいの誰にでもオススメ。
でも固い文学が好きな中高年層は「最近の小説はくだらん」とか言いそう。


★スプートニクの恋人/村上春樹


最後まで一応読み終わった直後の私の頭の中は「?????」。
村上春樹の作品はノルウェイの森、その他いくつか読んだくらいで、
あんまり読んだことが無いけれど、
「こんなにわかりにくかったっけ???」という感じ…。

すべるような文体の、長い文章を読んでいくうちに、迷子になってしまう。
まるで悪い魔女の魔法にかけられたように、自分がどこにいるのかよくわからない。
これが文章の魔術、かも…しれない…。(良く言えば)

「文学的に物事を表現しようとするとこうなるのか???」
「このわかりにくさは、わざとだろうか???」
などと、読みながら考えずにはいられませんでした。

途中、「これはすごくおもしろいのではないか」、と思ったり、
「でもよくわからない…」、と思ったり、
私の心は浮いたり沈んだりしました。

また、私はこの作品を楽しむのには、歳をとりすぎているのかもしれません。
作中で登場人物のミュウが
「小説はフィクションだと思うと楽しめない」というような内容を言うのですが、
「まったくその通り」だと、この小説を読みながら思ってしまう…そんな感じでした。

オススメ度:★★★☆☆
オススメ層:思春期で思い悩みたい人とか難解な文章が好きな人は好きかも。
あとは国文学生で村上春樹を研究したい人…

小説は好き嫌いがあると思うので、可も不可も私には言えないけれど…
この狐につままれる感は、他では味わえないかもしれない。

★延長戦に入りました/奥田英朗


奥田英朗さんの本を、初めて読みました。
スポーツに関する、ちょっと変わったエッセーです。
短いエッセーがたくさん集められている形式なので、「暇つぶしには良い本」です。
多少本人のナルシズムが見え隠れしていましたが、
「そういう人なのかな」と思って読みました。
本人がこのエッセー内で何度も言っていますが、
彼は物事を独特な視点から見る人で、
それがこのエッセーの基盤になっていて、
その視点の有り様は確かにおもしろいです。
オススメ度:★★★★☆
オススメ層:スポーツについて一般的な興味がある人で、暇つぶししたい人



いろいろ好き勝手書いてますが、
あくまで個人の感想です。
特に小説は、個人の好みによるところが多いと思いますのでご容赦ください。

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