2010年6月18日金曜日

本:墜落遺体 ~御巣鷹山の日航機123便~

日航機123便墜落事故後、遺体の身元確認班長を務めた
飯塚訓さんによるノンフィクションです。

「起こった事故を関係者の目から客観的に記録する」という観点から、
これは非常に価値のある本だと感じました。




1985年、8月12日の事故から、
今年で25年とのことです。

実はまことに恥ずかしいのですが、
私はこの事故についてよく知りませんでした。

というのも、事故当時の私は
まだ自我が芽生える前だと思われる年齢。
そもそも記憶がありません。

大人になって飛行機に乗るようになってから、
「日本航空は昔大きな墜落事故を起こしたらしい」
といったような話をどこかから聞いて、
「そうなんだ」
と思っていただけでした。

ですので、この本を読んで初めて、
事故がどれくらいの凄惨さであったのかということを知りました。

この本は遺体の身元確認に絞って書かれているので、
読み終わった後、
・なぜ事故が起こったのか
・生存者はその後も無事生きているのか
などについて知りたいな、と思い、

調べたところ、
原因の有力説は「ボーイング社の修理時のミス」とのことですが、
矛盾点も認められており、原因については諸説ありました。
ですが、調査は打ち切られており、
今後原因究明されることはないようです。
(2010年現在)

私は、数年前は
「日本の航空会社の方が安全」となんとなく思っていましたが、
(ラオス航空に乗ったときは意味無く怖いと思いました)
この事故の原因が、操縦のミスなど人為的なものでなく、
機体となると、どの航空会社でも、
どの路線で乗っても危険性は変わらないのではないか、
と感じました。
実際、私が今まで乗った飛行機は99%ボーイング製のはずです。
(エアバス製のものに乗った記憶がありません)

航空業界の各社に、
事故の再発防止に努めていただきたいと願う一方で
このような事故が起こる可能性があるということを
自分が搭乗する際に心しておかなければいけないな、とも思いました。

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